姫は自由に生きている



「たまにはそれくらい言わせろよ。だからこそ、俺は昔からずっと心配だったんだ」


「………」


「恋をこっちの世界に入れるのは、こうなる事が想定出来たから反対だった」


「でも琳、」


「すんなり連れてってくれた、てか?確かにな。俺もあの頃は若くて浅はかで、それでいて自分を過大評価しすぎてた」


「……うん」


「歴代最強、だなんて謳われて誰にも負けない自信があった。だから、なにがあってもお前を守れると思ってた。だから、あいつらも常に居るし大丈夫だろうって思ってお前を連れて行ったんだ」


「……うん」


「みんなで全国のてっぺんを取って、俺もあいつらも浮かれてたんだよ。だからな?」


「う、ん」


「俺たちは、お前を守ることすら出来ずあげくに"あの日"大切な仲間を失った。あの時ほど自分を憎んで呪って後悔した日はねえんだよ……」


「っ……」


「償っても償いきれなかった。それと同時に、俺たちは大切なモノを失う恐怖も知ってしまった。勿論右京だってそうだ。」


「………」


「右京が本気で強くなりたいと努力するようになったのはそれからだ。俺たちは年齢が年齢だから引退する事に決めたけど、あの時全員で約束した事があんだよ」


「…なに?」


「"二度と同じ悲劇を繰り返さない。大切なモノを必ず守る"」


「……わたしのこと?」


「ああ。俺たちが復活するのは引退した日から決まってたようなもんだ」