姫は自由に生きている



慣れたようにスタスタとケーキ屋さんに先に入ってしまった琳は、私が店の中に入ると既になにを買うか迷っていた



なんせ、ケーキを含め甘い物が好きなのは私だけではない。


杉咲家全員甘党だ。


「恋、新作出てるぞ買うか?」


「食べる!あとこっちの新作も美味しそう」


「母さん達にも買ってくか」


「うん!」


「すいません、ーーーー」


さっき私にケーキは自腹だと言った琳は、ちゃっかり注文してちゃっかり支払いを済ませてくれた


本当になんで彼女が出来ないのか不思議でならない


「倒すんじゃねえぞ?」


「わかってますー」


車に戻りケーキの入った箱を琳から受け取った


「ねえ琳、右京から聞いたでしょ?」


「……ああ」


家まで15分

今ならきっと、落ち着いて話せるはず


「どうして、私なんだろうね」


「……お前だから、だよ」


「どういうこと?」


「自覚ねえと思うけど、人を惹きつけ魅了する。一種の才能をお前は持っていると俺は思うよ。だから他の人間では代わりにすらならないし、恋だからこそ俺たちだって着いてきたし右京達だってお前を希姫にしようとするだろ?そういうことなんだよ」


「よく、わかんない」


「恋は周りに恵まれていると思うか?」


「うん」


「それもお前の才能だよ」


「え?」


「周りにいる大勢の人に愛されて可愛がられる、当たり前の事じゃなくて奇跡だと俺は思うよ。
だからそれも、恋の才能であり魅了の1つでもある。」


「今日の琳のセリフ全部クサイんだけど」



やっぱり運転して前を向きながら、真剣な声色でそんなことを言ってのける琳に逆に私が恥ずかしくなってくる