姫は自由に生きている



「あくまで俺の推測だけど、俺たちを混乱させて焦らせるためじゃないかと思うんです」


ー「…可能性は高いな。でも、出所が気になる。まさか今まで全部取っておいてたわけじゃないだろうしな」


「それもゼロだとは言い切れないですけどね」


ー「サイコパスの考えなんて俺には分からねえよ。ちっ。これじゃあアイツの思うツボじゃねえか」


「恋の様子はまた報告します。いつでもこっち来て下さい」


ー「あぁ。なら落ち着いたら俺が迎えに行くことにする。それまでは預けておいてもいいか?」


「分かりました。それじゃあ」


ー「あぁ。また動きがあったら連絡してくれ」


「はい。失礼します」


電話を切り、恋の寝るベッドサイドに腰を下ろした




『わたし恋!よろしくね?』

『………』

『よろしくね!!』

『………』

『よーろーしーくーね!!』

『ちっ』

『あ、やっと反応してくれた!』

『……るせえな。あっち行けよ』

『わたしは君と話してるんだよ?なんで他の所行かなくちゃいけないの?』

『放っておけよ』

『そんな事言ってると友達出来ないよ?』

『だから放っておけってば!』

『そんな捻くれた君と友達になってあげる!仲良くしようね!』

『俺は良いって言ってねえぞ!』

『うるさいなぁ。きっと友達が出来るだけでそのつまらない世界は変わるよ?』

『ちっ。勝手にしろよ』



脳裏に浮かぶのは、恋と初めて会って会話をした日のこと



きっと、あの瞬間から俺が恋に惚れることは決まってたんだと思う


幼いながらに人と関わる事を極力避けていた俺が、初対面の人間と ましてや女とあんなに話してるなんて今までなかったから


心の何処かでこいつなら大丈夫

なんて直感が働いたんだと思う