「んぁ、っ…」
「次煽ったら襲うかんな」
「んなっ!!」
満悦な笑みでそんな事を言う右京に、なにも言えなくて口をパクパクさせる
「おら起きるぞ」
固まっていると先にスタスタとベッドを降りてリビングに行ってしまった珍しく寝起きが良い右京の後を追ってリビングに私も行った
右京は私にこの家の物なら好きに使っていいって言ってくれてるから、右京が洗面所に行ってる間にコーヒーを淹れる
ちょうど淹れ終わったタイミングで右京がリビングに来たからコーヒーを渡した
「どうぞ」
「さんきゅ。風呂入ってから家帰るか?」
「そうする」
「ん」
そういえば昨日倒れて今の時間まで寝てたんだよね。
せっかくの優雅な朝の気分が台無しになる気がするけど、話さないわけにもいかない
「ねぇ右京…」
「ん?」
「闇討ちしてるのってさ、」
「それ以上言うな。」
「……っごめん」
一気に眼を鋭くした右京に、思わず謝る
右京も思い出したくないよね。名前すらも、 聞きたくないよね。
私だって、あれを思い出しただけで過呼吸になるくらいなんだ。
みんな、記憶の片隅に封印した二度と聞くことがないと思っていた"あれ"
恵達が解るわけがないんだ。
そして、きっと今必死に調べているんだろうけど
出てくるわけがないのも、私と右京は知っている
だって"あれ"についての情報は、琳達がほとんど揉み消したから。
詳しいことを知る人間なんて、あの場に居た人間しか知らない。
「お前なら分かるだろ。」
「……始まり方が、"あの時"と同じ」
「あぁ。」
「きっとこれから、…犠牲者が増えてく」
「…あぁ」
「それから"アイツ"は……!!」
「もういい!それ以上言うな!!」
「アイツはっ…!!!」
「恋落ち着け!!」
カタカタ手が震えだした私に、声を荒げて止める右京
ほんと最近情緒不安定だなぁ……
迷惑ばかりかけてごめんね、右京
「私の全てを奪いに来るんだ…っ!!!」
一度動いた歯車は、止まることを知らない

