姫は自由に生きている



マンションの前で金を払い、心配をしてくれる優しい運転手に礼を言って恋を抱えたままタクシーを降りる


部屋に入り真っ直ぐベッドに行き、恋を優しく降ろした


「ご、めっ……なさ、い……」


寝言で懺悔をし、涙を流している恋に胸が張り裂けそうになる


ごめん。ごめん。


苦しませてごめん。

俺はお前を救いたいのに、どうして苦しませることしか出来ねえんだろうな


こんなに目の前で苦しんでいるのに、代わってやることも出来ずただ涙を掬って抱きしめる事しか出来ない俺は無力なままだ


全国No. 1の総長
歴代最強の総長


そんな肩書きは、ただ恋を守る為だけに手に入れた

恋を救うために必要な肩書きだと思ったから、俺は今の地位についた

本当にそんなくだらない理由



恋の1番にならなければ意味なんてないのに、本当に俺は馬鹿だと思う



人と関わること、人と話すこと、誰かを受け入れること、仲間を信じること、人を愛すること


全部、俺に教えてくれたのはコイツだ



「俺が必ず助けるよ」



どうかこの瞬間だけでも、お前に心地良く眠ってほしい

起きた時に、夢の内容なんて忘れてまた明日も俺の隣で笑ってくれ