「それで、誰にやられたの?」
本題に入ったのは、病室に着いてから20分後だった
「いや、それが分からなくて…」
「分からないの?」
「族なのに間違いはないんですけど、見たことなかったんです。」
「どんな状況だったの?」
「3人でコンビニから帰ってる時、突然バッドで肩を殴られてそこから戦ったんすけどあいつら俺たちと同じくらい強くてっ…!」
「強い上に人数も向こうは10人近くいて、さすがに体力が持ちませんでした。」
「相手の特徴とかある?」
希龍の面子は、全国1なだけあって弱いチームとかだったら総長を倒せちゃえるくらい強い
そんなみんなが強いと思う相手だ。
一体どこに手を回したんだ…?
なんて思っていたのも束の間
「特攻服に、水色の刺繍で華が描かれてました」
ドクンッドクンッ
心臓が抉られる感覚がする
「ーーーっはぁ…はぁ…はぁ…」
胸が苦しくてクラクラして、とても立っていられなかった
突然しゃがみこんだ私に、すかさず気づいた右京
「恋、落ち着け。大丈夫だ。ゆっくり息吸って…吐いて。そうだ。もう一回ゆっくり吸って、吐いて」
看護師さんが使うワゴンの中に置いてあったビニール袋を手に取り私の口元に当て、背中を摩る手際の良い右京に状況の掴めないみんなは
「恋!?大丈夫!?」
「恋たんどうしたの?」
「恋さん大丈夫ですか!?」
「「「恋ちゃん!?」」」
慌てている声が聞こえる
だんだんと呼吸が落ち着いてくると、私の瞼は重くなっていった
「恋、目を閉じていいよ。……そう。いいこだ。」
それに気づいた右京は、私の安心する大好きな声で目を覆い体重を預けさせた
「おやすみ。」
右京のその声で、私の意識はプツリと途切れた

