姫は自由に生きている



「情報を流したところで誰も信じないのは予想済みだ。なら、実際こうして俺たちが走ってここに来れば?」


「デマが真実に変わる……」


「そういうことだ。」


「でも一体なんのために復活なんて…」


俺がこうして琳さんと話している間に、先代と面子達は打ち解けて少し離れたところで盛り上がっている


現状、ここで話を聞いているのは幹部以上の役職に就いていた先代と俺たち幹部以上だけ


「ここじゃなんだし上で話すぞ」


「わかりました」


つまり全員の前では出来ない話、ってわけか


俺はすぐに先代方を幹部室に案内する


「お前らー!せっかくだし一緒に特訓しとけよー!!」


「「「うぃっす!!」」」


琳さんは階段を上りながら面子と楽しんでいる先代の面子方に声をかけた


この一瞬でも分かるくらいの統率力と団結力

何年経っても衰えないのは正直すごいと思う


「やっべ懐かしい〜!」

「昔を思い出すな…」

「俺もここでゆっくりするのは引退以来だな〜」

「俺ははよく来る〜」


懐かしい、と部屋をうろうろ回って見てるのは5代目特攻隊長 雅さん

俺たちでいう新のポジションだ


昔を思い出しながら懐かしそうに目を細めるのは、5代目情報参謀 壮太さん

俺の憧れの人だ


ソファに腰を下ろして部屋を見渡しているのは、5代目副総長 圭介さん


言わずとも現総長である右京のお兄さん


そして、俺たちの様子を見にたまに倉庫に顔を出してなにかとお世話になっている
誰もが憧れ誰もが恐れた伝説の5代目総長 琳さん

聞き飽きたと思うが、現副総長である剣と俺たちが希姫にしたくて堪らない恋さんのお兄さん