姫は自由に生きている



恵side


右京が恋さんに、『明日は来なくていい』なんて言ったのは昨日の話


『ほんと!?』

『ああ』

『やった!!なにしようかな〜』

『家にいろ』

『は?』

『…………琳さんの許可が出たらな』

『うん!』


ここに来なくていいと言われて上機嫌になった恋さんに軽く傷つく俺たち


右京の真意は分からないが、とりあえず今日は朝から静かに倉庫で過ごしている


昼飯はじゃんけんに負けた新が買い出しに行ってくれてみんなで食べた


腹も満たされ休憩をしている時、下がザワザワしているのが微かに聞こえた


右京もなにかに気づいたのか、閉じていた目を開けじっと扉の方を見つめていた



そしてすぐに、コンコンコンと扉をノックされた


「どうぞ」


俺がそう言えば


「失礼します!」


面子の1人であるカズマが困惑した顔で入ってきた


「どうしたの?」


「いや、それが…特攻服の集団が倉庫に来まして…」


「敵襲ってこと?」


おかしいな。そんな情報は聞いてないよ。

それに、敵襲ならもっとカズマだって焦ってるはずだしこんなゆっくり喋っている暇もないはずだ。


「そう思ってたんですけどそれも違くて…」


「どういうこと?」


「そいつら、倉庫の前で動かないでなんか騒いでるんすよ。不思議なくらいに敵意を全く感じなくて、アズマさんが話しかけたら思い出したかのように皆さんを呼んでほしいと言われて……俺たちもどう対処すればいいか分かんなくて」


「右京」


「行くぞ」


カズマが眉を下げて困っている辺り、その特攻服集団の目的がなにも分からなかったんだろう。


右京の一声で俺たちは立ち上がる


先に俺が幹部室を出て面子が集まっていた入り口に向かうと、どこかで見たことのあるような特攻服を身に纏った集団が居た


ざっと100人くらいだろうか


後ろから右京達も来た