姫は自由に生きている



そして土曜日


「ねえ琳!今日あのクソ重たい空気の倉庫に行かなくていいんだって!お母さんと買い物して来てもいい?」


出掛ける支度をしていると、朝からテンションの高い恋が部屋に入ってきた


その発言を聞く限り、バカ共に改善の余地が見られてないらしい。

重たい空気もシリアスムードさえも嫌う恋にとって苦痛で仕方ないのに、毎日行かなくてはいけない謎の義務に相当ストレスが溜まっていたのだろう。


倉庫に行かなくていいことが相当嬉しいらしい。


「ダメだ。母さんと今日は1日家でゆっくりしてろ」


「なんでよ!服買いたいんだけど!」


「今度俺と買いに行こうな。今日はとりあえず家にいろ」


「やだ!」


「はぁ……」


まぁ、あいつらと四六時中一緒となると買い物さえも行かせてもらってないよな

ここぞとばかりに1人を楽しもうとする恋に、もう少し危機感を持ってほしいものだ


みんな誰のために動いてると思ってるんだか……


なんて思うが恋にとっては考えたくも思い出したくもない内容だからこそ周りの変化に気づくも原因を知ろうとはしないし、だから俺はあえて気づかれないように行動している



「帰りに恋が好きなデパートの美味しいケーキたくさん買ってきてやる」


「よし乗った!約束だからね?」


「当たり前。」


我儘で可愛い妹は交換条件を元にどうにか家に居てくれることを約束してくれた


と同時に、拗ねて家に帰って来なくなってしまった反抗期のバカな弟をどうしようかと考える