だからこそ、もうあそこには行かない。


「あっ!そういえば…」


「どうしたの?琳」


「"あいつら"に恋が帰ってきたって言ったらすげー会いたいって騒いでたぞ」


「ふふっ。私も会いたい。」


「じゃあ予定立てたらまた言うな」


「うん」


楽しみだなぁ

思わず顔ニヤける。


時計を見たら夕方になっていたらしい。


お母さんが夕食の買い物から家に帰ってきた。


「ただいまー」


「お母さんおかえりー」


「おかえり母さん」


「恋ちゃん夕食のお手伝いしてくれる?」


「いいよ」


「今日はお魚と肉じゃがを作ろうと思ってるのよ。恋ちゃんの大好物でしょ?」


「うん!あ、この荷物持つよ」


「あらありがとう。ほら琳もぼけっとしてないで荷物運びなさいよ。男なんだから」


「俺はー……」


「琳?」


「はい。やります。」


杉咲家では、お母さんが一番強い。

んでもってお父さんは尻に引かれている。

それから私に続いて琳、剣という順番になっている。


イコール、杉咲家は女が強い。


昔は希龍で輝いていた琳も、家に帰ればこの通り。

お母さんには敵わないのだ。