姫は自由に生きている



「だからなんだ、って……恋に頼られてる右京には俺の気持ちなんて分からないよ!!」


今にも殴り出しそうな雰囲気の剣に、そろそろ止めないとと思う。


未だに動く気配がなくただされるがままの右京の様子を見ていると、

カツカツカツ


階段を上ってくる足音が微かに聞こえてきた


この足音は…恋さんのだ。


部屋が荒れ果て剣と右京は殴り合う寸前


こんな地獄絵図を見た恋さんは一体どうするだろうか


ガチャ


そうこうしている内に恋さんが幹部室の扉を開けてしまった


「ただい……どうしたの」


軽い足取りで帰ってきたはずの恋さんの表情は見る見るうちに険しくなっていく。


「ちょっと剣が右京の挑発に負けてしまいまして」


右京に言われた通り、パソコンは閉じてなにも見えないようにし写真についての話題は避けた。


「それで剣があんなにキレるの?」


「元々虫の居所が悪かったみたいで」



俺の元に来て状況を聞く恋さんも、剣が右京の胸ぐらを掴んでいることもキレている事も有り得ないと言いたげだった。


無言で睨み合う2人の空気に侵食され、部屋全体がピリピリしている



意外にも先に口を開いたのは右京だった



「双子だから全てを共有しなくちゃいけねぇなんて誰が決めた。お前が勝手に思ってるだけだろ」


「それはっ…!!ずっと一緒に居たからなんでも知ってるのが当たり前だった!隠し事なんてないはずだったんだ!!なのになんで右京は俺の知らない恋を知ってんだ!!ずっと!ずっと!それだけが引っかかってた!」


「……双子だから、隠しておきたいことだってある。大切だから、言えないことだってある。お前の考えは甘ぇんだよ」



右京の言葉に、恋さんはビクッと肩を震わせた。