姫は自由に生きている



「恵そんなにパソコン睨んでどうし……っな、に…これ」



俺の隣に座っていた剣が、パソコンの画面に映る俺を悩ませていた"それ"を見てしまった


しまった、と思ってももう遅い


剣は声を震わせ顔面蒼白。手も震えている


「ね、ぇ…な、にこれ…」


「…………」


「剣どうした!?」


剣の異変に気付いた新までもが、"それ"を見てしまった。


「っ!!な、んだこれ…」


右京は、きっと俺たちがなにを見たのか分かっているのだろう。


俺を真っ直ぐ見ていて、これは『見せろ』という合図


俺は無言のまま右京にパソコンを出した。



「ちっ」


見た瞬間、ガンッ!と目の前にあった机を蹴る。


その衝撃で、机の上に置いてあった飲み物が溢れお菓子が散らばる。


「ね、恵…なに、これ…恋、だよね…?」


「……多分ね」


「なんのなの!?これは!?どういうこと!?」


「…俺も分からないよ。送られてきただけだから」


俺の肩を掴んで揺さぶる剣の表情からは、余裕が全く見えない。


「恋たん…これ小学生くらいだよね?」


「…恐らくは、ね」


全員が全員、なにが起きてるのは分からないんだ。


ただ、前回同様に画像分析してもこれは合成写真ではない。


右京、お前はこれがどういうことなのか知ってるのか?


「右京」


「…それを恋に見せるな。その話題を微塵も出すんじゃねぇ。いつも通り接しろ。いいな、絶対だ」



唸るように低い声と殺気に、俺たちは頷くことしか出来なかった。


つまりやっぱり、無言の肯定。