「秘密って言われると気になるんですが……」
「ふふっ。それなら自分で調べてみることね。情報参謀さん」
「何故それをっ……!?」
おかしい。幹部内での役割に関しての情報は全てシークレットにしてあるはず。
それを何故今日会ったばかりの彼女が知っているんだ。
「あら?見ていれば分かるわよ?簡単な事じゃない」
「ちなみに恵が情報参謀。新が親衛隊隊長。剣が特攻隊長ってとこかしら。んで右京が全てを取り締まるリーダーって感じね」
「貴方は一体……何者なんですか?」
ここまで的確に当てられると、疑わずにはいられない。
琳さんが連れて来たにしろ、どこかのスパイの可能性もある。
なぜこんなに族に詳しいのか。
そんなの、族に関わっているから他ない。
彼女は白か黒か。
敵か味方か。
見分けなくてはいけない。
「私はどこにでも居る普通の女よ?それ以上でもそれ以下でもない。」
"普通の女"
彼女がそんなわけないのだ。
「ふふっ」
ほら。不敵に微笑む彼女の目の奥には、狂気が宿っている。
彼女は本当に、何者なんだ?
帰ろうとした所で右京に止められた恋さんは、明日ここに来ることを拒んだ。
やはり普通の女ではない。
拒む理由は、右京が一番分かってる。
確かにそう言った彼女は右京に自分の連絡先を渡して帰ってしまった。
残された俺たちは呆然としている。

