とりあえず、俺たちは右京が"女"という生き物を触っていることに驚いている。
右京は女が嫌いだ。
自分から話しかけることも、触ることも、ましてや視界に入れることさえしない。
それなのに、だ。
"あの"右京が自分から女に触っている。
明日槍でも降るのかな……
俺たちがパニックになるのも仕方ない。
「恋、なんでここにいる?」
「剣に会いに来たの」
「……そうか。日本にはいつ?」
どうやら右京は恋さんが剣の双子のお姉さんであることも、海外に留学していたことも知っているらしい。
ますます二人の関係に謎が深まる。
「ついこの間」
「本当に……おかえり。恋。」
「ただいまっ……!右京」
感動の再会をしている二人に口を挟んだのは、空気を読めないNo. 1男の剣。
こんなところでシスコン発揮しないでくれ……
機嫌悪くなった右京の処理をするのは俺なんだから、、、
発言が際どい剣は置いといて。
「右京、恋さんと面識があるんですか?」
「………………」
「右京恋ちゃんと知り合いなん?」
「………………」
右京に質問しても無言なのは想定内。
俺は質問相手を右京から恋さんに切り替える。
「はぁ……恋さん、右京とはいつ知り合ったんですか?」
彼女なら答えてくれる。そう思っていたのに
「秘密よ。ヒ・ミ・ツ」
ウィンク付きで誤魔化されてしまった。
隣で鼻血を吹いた新は放って置いておこう。
今の彼女の色気には俺もやられそうになった。
あぁ右京、そんなに睨まないでくれ。

