姫は自由に生きている



「恋たんってさ、」

「どうしたの?」

「もしかして、希姫の噂とか聞いて自分には無理だって思って断ってるんじゃない?」

「それもあるかもしれないね」


いくら噂に疎くても、希姫の情報くらい聞いたことあるはずだ。


この街に住む全員、希姫の噂を聞いたことがある。
知らない者はいないだろう。


それから3人でしばらく話していると、ガチャリと扉が開いた。


「おはよ〜」

「……」

ふぁ〜、と眠そうに欠伸をしながら部屋に入ってきた恋さんと
さっき俺たちが起こしに来たことに未だに不機嫌な右京がやっと起きてきた。


「恋おはよ!」

「おはよ剣」

「恋たああん!おはようのキッス!」

「朝からキモい新」

「がーん」

「恋さんおはようございます」

「おはよ恵」


それぞれ恋さんに挨拶をしている中、静かだと思っていた右京は恋さんの髪の毛をクルクルと弄っていた。


「右京、恋さん飲み物は?」

「アイスティーお願い!右京はコーヒー?」

「あぁ」

「アイスティーとアイスコーヒーお願い!」

「分かりました」


寝起きの2人に飲み物を飲まそうと立ち上がりリクエストを聞くと、どうやら彼女は右京の好みまで把握済みらしい。


キッチンで飲み物を入れて戻ると、1ヶ月前までとなにも変わらない光景が目に入った。


帰ってきてくれてよかった


思わず ふっ、と笑みが零れた