恵side
昔から無気力で、無口で、他人に無関心で、女なんて存在すらも無視してきた
そんな男が、こんなにも強く想う彼女は一体何者なんだろうか
『命に代えても守りたい』
そんなセリフを、冗談ではなく本気で言える人間がこの世にどれだけいるだろうか
『誰かを守る為なら命を惜しまない』
それほどまでに強く想える人と出逢える人間が、この世にどれだけいるだろうか
少なくとも俺は、そんな事を言える相手に出逢ったことはない。
俺の目を真っ直ぐ見て言い切った右京を見て、
あぁ、本当にあの子の事が好きなんだな
そう思った。
「右京…彼女は一体何者なの?」
片割れの剣になにも言わず、突然留学して消えた彼女。
俺と同時期に右京と出逢った彼女は、一体どんな出逢い方をしたんだろうか
地区が違った彼女と右京が接点なんてないはずだ。
"殺されかけたのがキッカケで海外に逃げた"
剣を刺した女が言っていたセリフも気になる。
そして、頑なに姫になりたがらない彼女。
その時にされる2人の会話。
彼女…恋さんは全てが謎に包まれている。
最も、右京は全てを知って姫にしたがっている以上
彼女が敵という可能性はゼロと考えていいだろう。
ただの一般人かもしれない。
でも彼女の正体も気になるが、俺が気掛かりな事が1つ
恋さんの情報がどこにもないこと

