姫は自由に生きている



「あの女が言っていた事は本当、と言う事ですか?」

「所詮はただの駒だ。全部合ってるわけがない。」

「田中岳、とは一体誰なんですか?」


ガンッッ

その名前を聞いた瞬間、俺は目の前にあったテーブルを蹴った。

再度閉じていた目を開き、俺は恵を見る


「その名前、絶対恋の前で口にするな。じゃねえとお前であろうと容赦しねぇ。いいな。」

「あ、うん。わかったよ。」


いきなり殺気を出して怒りだした俺に驚きが隠せない様子の恵。


「じゃあ最後にもう一つだけ」

「なんだ」

「右京にとって、恋さんはどんな存在なの?」



俺にとっての恋、か


そんなの一つに決まっている