姫は自由に生きている



チラリ、時計を見るといつの間にか22時

「剣と新は今日はもう帰れ」

「なんで!?」

「恵は?」

「恵には話がある」

「恋はどうするの?」

「起きるまで俺が倉庫に居る」

「……分かった」

「恋たん襲うなよ!!」

「…ああ」


納得してないものの渋々帰ってくれたあいつら。


バタン

扉が閉まりあいつらが帰ったのを確認して、閉じていた目を開き部屋に残った恵を見る。


「話ってなに?」

「…話があるのはお前だろ」


居なくなった理由について納得してくれたものの、なにか言いたい事があるような顔をしていた恵。


だからあいつらを帰して俺は恵だけを残した。

きっと、今日くらいしか俺が恵の質問に答える気になんてなれないだろうから。


「ホント、右京には敵わないね」

「それで?」

「事情が事情だったからこれ以上居なくなってた事に対して小言を言うわけじゃないよ。ただ、俺の純粋な疑問さ。」

「…なんだ」

「琳さんがここに初めて恋さんを連れてきて出会った時から不思議だったんだ。
右京と恋さんは一体いつから知り合いなの?」

いつから、かぁ

「…お前と出会ったのと同じくらいの時だ」

こいつと初めて会ったのは、小学校

たまたま同じ小学校に入学をして、隣のクラスだったこいつの事が気になって声を掛けたのが俺たちの始まり

意外にも気が合って、話さずとも落ち着くこいつと連むようになるのは時間がかからなかった。


希龍の仲じゃ恵が一番長くてかれこれ11年くらいの仲になる。