姫は自由に生きている



「だからって3週間も連絡を途絶えるのはやめて下さいよ」

「悪いなお前ら」

「せめて連絡はいれてください」

「ああ」

「俺たちがどんだけ心配したか分かってるんですか?」

「ああ」

「面子も不安がってます。後で顔出して下さい」

「ああ」

恵の説教に一言返事をするだけの右京と、下を向いたまま動かない恋。


「恋たん体調悪いの?」

さすがの新も恵も気づいたらしい。

俺と話してた時以外、ずっと下を向いている恋。

明らかに様子がおかしい。

「大丈夫。少し疲れただけだから」

「そ、っか」

力なく笑う恋の事が心配になった。

一体右京となにをしていたのか…

考えたくもない。ただのヤキモチ。


「恋、あっちで寝てこい」

「右京も行こ?」

「…あぁ」


右京が総長室で寝てこいと言えば、右京も連れて行ってしまった恋。


バタン

扉が閉まれば静寂が訪れる


前までの恋は、右京を信頼しているにしろあそこまでベッタリではなかった。


「あの2人、付き合ったのか?」


そう思うのは俺だけではないだろう。


「そうじゃない?」

「俺の恋たんがああああ」


俺は、右京に恋が取られたみたいで少し寂しくなった