姫は自由に生きている



恋が大好きだから。

シスコンだと気持ち悪がられても別にいい。

恋と俺は一心同体

どちらかが居なくなったら不安定になる。


「ごめんね…」

眉を下げて謝る恋


どうして、恋はいつも俺に大切な事を教えてくれないの?

俺たち双子でしょ?いつも一緒で、なんでも共有してきたじゃんか。


恋が遠いんだ…っ

また居なくなりそうで怖い。




「恋さん、右京」


俺が落ち着いたのを見計らって声をかけた恵


そういえばこいつらが居たの忘れてた。

恋は俺が泣き止むまで抱き締めてくれてたが、恵に話しかけられて右京の隣の席に戻っていった。


「なに?」

「あ?」

「今までどこに居たんですか?」

「「別に」」


俺たちと目を合わせない2人に、違和感を感じるのも無理はない。


「質問を変えます。文化祭の日、俺たちが居ない間になにがあったんですか?」

「「……」」

どうやらなにも話す気がないらしいが、俺たちだけでなく面子にも心配をかけている2人には話して貰わなくてはいけない。


「…2人は、ずっと一緒にいましたか?」

「ああ」

恵の3つ目の質問にやっと答えたのは、意外にも右京だった

「そうですか…。危険な目に遭ってたわけではないんですね?」

「ああ」

「じゃあどうして?」

「……俺が、恋を独り占めしたかったから。それだけだ」


表情1つ変えずにそう答えた右京

恋は下を向いて黙っている。