姫は自由に生きている


剣side



恋と右京が居なくなって約3週間が経った



恋の事を俺以外の家族全員が知っている。
なのに教えてくれない。

仲間外れにされた気がしてイラついて、家に帰りたくないからずっと倉庫に寝泊まりしている。


総長が居ない今、どこの族が攻めてくるか分からないから恵も新も勿論倉庫に寝泊まり。


恵はずっとパソコンで情報を探しているが、見つからないらしくイライラしている。

新も新でスマホをずっといじっていた、俺たちが会話をすることがあまりない。


恋と右京が居なくなるだけで、この最悪な空気。

2人の存在のデカさを身に染みて実感する。


「はぁ…」

思わずため息が出るのも無理はない。


重たい空気が今日も続くなか、突然幹部室の扉が開いた。


ガチャ


聞こえるはずのない音に、俺たちは扉を目を向ける。


一体誰だーーーーー


「「「えっ……」」」


思わず、言葉を失った。


「戻った。」

「え、っと久しぶり?」


だってそこには、突然姿を消して音信不通だったはずの恋と右京が居たからーーーーー


「本当に、恋と右京…?」

「そうだよ剣」

「恋たんどこに行ってたの…?」

「ごめんね新」

「貴方達は本当に…」

「心配かけてごめんね恵」


「悪かった」


滅多に謝ることのない右京が謝ったことにも、3週間前と変わらず俺たちに優しい笑みを浮かべる恋にも驚きが隠せない