姫は自由に生きている


2人の情報が出ないなら…と俺は調べる対象を変えてみた。


恋さんと出会ってすぐに一度調べたっきりの、恋さんの情報


あの時はなんとなく怖くて深くは掘り下げなかった
が、こんな時でしか調べることなんてきっとないだろう。


そう思い恋さんについて調べることにした。


カタカタカタカタ


「な、んで…っ」


「恵どうしたの?」

「なにかあった?」


思わず声が漏れた俺に対して反応する2人


全てがオカシイ


「ねえ剣、」

「ん?」

「本当に、恋さんと家族ですよね?」

「当たり前じゃん」


剣の顔は嘘を言っているようには見えない


「恵らしくない質問だね」


俺は、というか基本誰でもそうだが人様の家の事情を直接本人に聞く人なんてそんなに居ないだろう。


「…いくら調べても、2人の情報が出ないんだ」

「「……」

「だから、俺は恋さんの情報について調べてみた」

「恋、見つかった?」

今すぐにでも自分の足で探しに行きたいのを抑えている剣は、誰よりも恋さんの事を心配している。


「ううん。というか、恋さんの情報がなにも出てこない」

「…どういうこと?」

「杉咲家に、恋さんの存在が載っていないんだ…」