「恋。大丈夫だ。俺だよ。右京。分かるか?」
自分の行動に抑えが効かないことを、右京は理解している。
ーーーーだって私がこうなるのはこれが初めてじゃないから。
ふわり、まるで壊れ物を扱うように優しく抱き締められる
ぽん、ぽん、ぽん
一定のリズムで私の背中を優しく、優しく叩く
震えていた身体も、心も、落ち着きを取り戻してくる。
右京の優しい声と、その存在全てが私にとっての安定剤。
「う、きょ…」
「ん?」
「ご、め…ん。わたし、また…」
「大丈夫。もう一回寝な」
「う、ん…」
いつもみんなと居る時の俺様口調とは考えられないくらいの優しい口調
ーーー私を落ち着かせる時の、口調
「おやすみ。恋」
右京のその言葉を最後に、私は意識を手放した