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「あああああああああ!!」
「恋落ち着け!!!」
忘れたくても、決して忘れてはいけない記憶
とても、嫌な夢を見た。
意識を飛ばしたところまでは覚えている。
……が、ここはどこだろうか。
黒で統一された物がほぼない部屋。
私の手をずっと握っていてくれてたであろう右京は、突然叫んで起きた私を必死に宥めている。
頭の中は状況を把握出来るくらいこんなにも冷静だというのに、身体が言う事を聞かない。
「い、やっ…や、なの…っ!ぁ、ぁっ、…」
自分がなにを言っているのか、なにをしているのかすら分からない。
「恋!大丈夫だから落ち着け!」
目の前にいるのは右京なのに、
私を今抱き締めているのは右京なのに、
この空間にいるのは右京だけなのに、
信頼している右京しかいないのに、
「こ、ないでっ…!いやっ!!ぁ…や…」
なんで、右京が"あいつ"に重なって見えるんだろう、?
「わ、たしは…っ!ぁっ…ぁあっ…」
どうして、尋常じゃないくらい私は震えているんだろう、?
ーーワカラナイ
思考と行動がまるで真逆。一致してくれない。