姫は自由に生きている


「っ……!」


あまりにも美し過ぎるその美貌に、思わず呼吸をするのを忘れた。


それは隣に居る新も剣も同じ……剣?


基本、女が好きではない剣。


嫌悪感を出すと思えば、何故か驚いた顔をしている。


「どうだ?俺の彼女可愛いだろ?」


自慢気な顔の琳さんは、どうやら相当彼女に惚れているらしい。


琳さんの隣に居る彼女は、キョロキョロと部屋を見渡している。


ここ、暴走族なんて無縁そうな彼女はきっとここが珍しいんだろう。


なんて思っていたら


「けーーんーー!!」


さっきまで無表情だった顔とは一変。


顔をパァっと綻ばせ剣の元へ走って行き剣に抱きついた彼女。


「「は?」」


いや、どういうこと?


琳さんは自分の彼女が他の男に抱きついてるのを見て呆れた表情。


剣は剣で彼女の事を知っているらしく感動の再会?をしていた。


この状況についていけないのは俺と新だけ。


「おら恋。取り敢えずこっち来い。」


彼女の名前は恋さんと言うらしい。


琳さんに呼ばれた彼女、もとい恋さんは琳さんの隣に腰を降ろした。