すぐに琳さんの車の後部座席に乗り、ドアを閉める。
恋は膝枕の体制にして横にした。
琳さんもすぐに乗り、学校から離れる。
「それで、どこへ行く?」
車を走らせながら、ちらりとルームミラーで俺を見る琳さん。
今倉庫に連れていけば、目を覚ました時の恋が危険。
かと言って、家に帰らせば恋が倒れた事を知った剣が確実に帰ってくるだろう。
恋が剣に会うことも今は困難。
となれば……
「俺のマンション」
「わかった」
琳さんも、同じ考えなんだろう。
俺に聞きながらも答える前から、車が走っている方向は俺が一人で住んでいるマンションだった。
そこが、今の恋にとって一番安全な場所。
俺の膝で眠る恋の頭をそっと撫でる。
「んっ……」
俺が幼いながらに恋心を抱き、揺らぐことのない本物の愛を教えてくれた、この世でただ一人の愛しい女。
今度こそ、恋を守る。
ーーーーーたとえ命にかえても
文化祭は静かに幕を閉じた