空港から1時間。


車は懐かしい住宅街を走っている。


「ねぇ琳。隣のおじいちゃんおばあちゃん元気にしてる?」


「あの人達なら元気だぞー」


「じゃあ目の前のお家のサナちゃんは?」


「あーあの子なら今中学生になって毎日学校行ってんぞ」


「へー」


「ほら着いたぞ」


車は家の前で止まった。


7年ぶりの自分の家は、どこか古くなったような気がした。


ガチャ


琳が家の扉を開ける。


「おかえりなさい恋」


「恋。よく帰って来たな。おかえり」


玄関で待ってくれていたのは、お父さんとお母さんだった。


2人とも、少し老けた気がする。


「っ……ただいま!」


私は懐かしさからか、嬉しさからか、思わず涙が出て来た。


「恋の泣き虫は変わってないのねぇ〜」


お母さん嬉しい、とお母さんまで泣き出した。


二人で泣いていると、琳が私の背中を押す。


私はそのままお母さんに抱き着いた。


「おかあさーん!」


「恋!」


泣き止むと、なんだか恥ずかしい気持ちが込み上げてくる。


この歳になって大泣きって……ねぇ?