姫は自由に生きている





『恋こっち来いよー!』
『一緒に遊ぼうぜー!』
『ちょ、今俺が恋と遊んでる番だろ!』
『あぁん?次は俺が遊ぶんだよ!』
『恋は俺たちの仲間だ!』
『ずっと一緒な!』




頭に浮かぶのは懐かしい記憶

思わず目を閉じて過去に酔いしれる。

少しにやけてしまっているのも自覚がある。

そして、私が何を思っているのか隣に座る右京が分かっている事もわかってる。

ねぇ右京、やっぱりさーーーーーーーー


「恋たん思い出し笑い〜?」

「うるさい新」


なんてせっかくの気分もうるさい新のせいで現実に戻される。


まぁいっか、なんて気持ちでズルズル中途半端にこいつらと関わるのも申し訳ない。


圭介と琳の言っていたことも理解出来なくない。
むしろ分かっているつもりだ。

だけど、私の心は"あの時"のままなんだーーーー

「右京」

「ん?」

「寝るから部屋貸して」

「……ん。」


こういう時、昔から右京は深く詮索してこないから一緒に居て楽なんだ。

考え事をしたい時、私は一人になりたい。

右京は分かってくれる。

右京の許可を得たし総長室に移動する。

後ろでブーブー文句言ってる新を恵が沈めてたのは見なかった事にしとこう。



ましてや、心配そうに私の後ろ姿を見つめていた剣の事なんて、私は知らない