姫は自由に生きている




「アイツが、動き出した。」

「………嘘だろ?」

「本当だ。今回恋が拉致られたのはアイツが裏で手を回してたからだ。」

「………」

「恋が今あぁなってんのは、お前の時とソックリだったらしいんだ。右京が言っていた。」

「じゃあ……」

「あぁ。俗に言うフラッシュバックってやつだ。あいつ、剣見る度になるらしい。」

「恋が、壊れる………」


車内には重い沈黙が流れる。


「情報はまだ出てねぇ。俺も今色々調べてるがなんもねぇんだ。」

「俺の方でも調べてみる。いざという時には"あいつら"もきっと助けてくれるはずだ。」

「あぁ。集められる奴は近々集める予定だ。」

「5代目復活、ってわけだ」


"あの時"、俺たちは誓った。

二度と同じ事は起こらせないと。


「右京は恋の事分かってるだろうから細心の注意払ってくれるはずだ。学校や倉庫では右京に全面的に任せていいだろう」

「そうだね。一応右京に言っておく。」

「……最悪、恋にはアメリカに戻ってもらう」

「………そうだね」



誓いを胸に、俺たちは動きだす。