「恋、ごめんな?俺のせいで……」
「圭介のせいじゃない!謝るのは私の方。本当にごめん………」
「俺は、あの状況になったら仲間だったら誰であろうと助ける。それは琳も同じだ。だから恋が気に病む事なんてなにもないんだよ。ほら、俺ピンピン生きてるし!」
「…………死んだかと、思ってた。帰国して右京から聞くまでずっと。こないだ会うまで、右京の私を元気つける嘘なんじゃないかって思ってた。でも、もし本当に生きてたら?って思うと会いたくて仕方なかった。生きててよかったっ…」
「俺死んだ事になってたわけ〜?酷いなぁ恋は相変わらず。俺、恋がアメリカ行っちゃった2日後には目覚めてすぐ退院してたんだよ?恋の所行こうにも琳に止められるしさ〜」
ビシビシと俺に視線を向ける圭介。
シリアスのシの字もない相変わらずゆるい男。
まぁそのおかげで恋もいくらか喋りやすいと思うし、こいつのゆるさのおかげで今まで救われた部分もたくさんある。
「俺は恋が、昔も今も大切だよ。今回の剣の事だって、みんな剣が恋を助けた気持ちが分かるからこそ誰も責めたりなんてしてない。今の希龍もいい所だと思う。俺は新しい希龍を恋の居場所にしてもいいと思う。」
「剣、相当落ち込んでんぞ?恋に嫌われたって言って。お前もそろそろ殻に閉じこもってないで出てこい。俺も圭介の意見には賛成だ。」
「……私の居場所は、"みんなのいた希龍"だよ。今の希龍を居場所にしようとは思わない。右京が私を希姫にしたい理由も分からない。なろうとも思えない。」
「んー、頑固だなぁ恋は」
恋が、"あいつら"を大切にしているのは分かる。
でも、だからと言って今の希龍の奴らもこう言われると不憫に思えてくるしなー。
これは参った。
「恋」
「ん?」
「居場所は一つじゃない。作ろうと思えば何個でも作れる。二個目の居場所、作ってもいいんじゃないか?右京もきっと、そう思ってお前に言ったんだろうよ」
「……でも、ね、あそこに居るとどうしても比べちゃうんだ。昔と今と、変化した所はたくさんある。昔の方が良かったって思っちゃう。だから、そんな気持ちで今の希龍に居続ける事は出来ない。」
「じゃあ、今の希龍のいい所をたくさん探してあげて。俺たちの希龍の悪かった部分を思い浮かべて比べてみて。改善された所はたくさんあると思うんだ。そうしたら、少し気持ちも変わらない?」
「………うん」
「別に無理に今の希龍に居れとは言わないよ?恋の悪い所はこうと決めると周りが見えない所。だからもう少し視野を広げてみて?そうしたらきっと、なにか見つかるから。」
「……わかった。」
昔から恋は、圭介の言う事だけはちゃんと聞くんだよなー。
俺お兄ちゃんなのに。

