「時間の無駄だから帰る」
話にならないと思い、私はくるりとバカ女に背を向けた。
「ちょっと待ちなさいよ!!」
「はぁ……」
バカの相手って疲れる。
歩き出したその時
「ふんっ!自分の周りをちゃんと警戒することね!」
その言葉を聞いて、私は足を止めた。
早足でバカ女の元へ行って胸ぐらを掴む。
「ちょ、なによぉ!?」
「ねぇ、どういう意味それ」
「ひっ……し、知らないわよぉ」
私の迫力に負けたバカ女は完全に怯えている。
「は?知らないわけないでしょ。あんたが今自分で言った言葉なんだから」
「ア、アヤは人に頼まれただけだしぃ…」
「誰に頼まれたの」
「お、教えないわよぉ…!苦しいから離してぇっ…」
ちっ……こいつ使えない。
そう思った私はパッとバカ女を離した。
いきなり離されたバカ女は尻餅をついて倒れた。
「痛いよぉ……」
ぶりっ子してんじゃねぇよ。
そういう女、大っ嫌いなの。
「行こ」
私のこと非情だと思う?
でも、残念ながらどうでもいい、ましてや嫌いな奴を気にかける程優しくないんでね。
「恋さん怪我ないっすか?」
「大丈夫だよ。右京達も心配するし帰ろ?」
「「「はいっす!」」」
それからは何事もなく倉庫に着いた。
「殺してやるっ…!!」
その言葉は、誰にも聞こえない。

