姫は自由に生きている


そんな優しい右京の事は、私だけが知っていればいいなんて、ちっぽけな独占欲。


それは友達としてか、はたまた恋なのかは分からない。


「ねぇ右京」


「ん?」


右京は、優しい。


私が何か言いたいのを分かって、待ってくれる。


「私、昔となにも変わってない?」


「………そうだな」


見た目じゃない。中身の話。勿論右京は分かってる。


「右京は…変わったね。前に進んでる。大人になった。私は……」


なにも、変わってない。
なにも、成長してない。

不安に駆られて腕を伸ばし右京の服の裾を掴む。


「恋。いいんだ。お前はお前のペースで進めばいい。人それぞれなんだ。ゆっくりでいい。ゆっくりでいいからそんな顔するな」


私は今、どんな顔をしているのだろうか。

分からない。分からないけど、右京が悲しそうに私を見る。



「ねぇ右京」


右京に問いかける私は、どんな風に見られているのだろう。


「みんな、私を置いてくの。みんなみんな、私を追い抜かして成長してくの。剣だって琳だって右京だって家族も近所の子も。」


孤独だよ、右京。ねぇ誰か私を引っ張って。一緒に、そっちに連れてって。