姫は自由に生きている


「恋、スピード上げるから舌噛まないように今から喋らないでね」


「わかった」


剣は私の方を向いて申し訳なさそうな顔をしながらそう言った。


「恋たんには俺が着いてるからだいじょーぶよん」


「きもっ」


「死ね新」


スピード上げる理由すらも教えてくれない皆。
だけど私もいつも通り振る舞った。


これ、今の状況理解出来てない子だったら質問責めだからね?うるさいからね?それ理解してるのかな?


状況説明くらいして欲しかったよ。
…分かってるからいいけど。


なんて考えたら今度機嫌悪くなるのは私の番で。


そうこうしている内に、車はスピード違反もいい所でスピードを上げ、警察と追いかけっこしながらいつもの倉庫ルートではないルートをぐるぐると回り、やっと怪しい車と警察を撒けたのかスピードが通常になったのは30分後だった。



「おぇ」


軽く酔った。


てか運転手さんのテクがやばい。

何者ですか貴方


ゼーハーしてるのは昔からグルグル動く乗り物に弱い私と剣。


残る3人は涼しい顔していた。


「恋たんだいじょーぶ??」


「はぁはぁ。だ、いじょうぶに見えるのかよ……」


「滅相もございません!」


何故敬語チャラ男。


「え?ちょ、右京!?」


倉庫の前で膝に手をついて呼吸をしていた私を、軽々とお姫様抱っこして幹部室に運ぶ右京。


一言なんか言えよ!


幹部室にあるソファに降ろしてもらえるかと思ったら、どうやらそうではないらしく、幹部室の更に奥にある総長室の中にあるベッドにそっと降ろされた。


総長室は、所謂総長しか入ってはいけない部屋。

幹部であろうと入らないのだ。