「おら恋。取り敢えずこっち来い」


いつの間にか空いてたソファに座ってた琳に呼び出され渋々剣から離れて琳の隣に座る。


「はぁい」


「まず聞いてもいいですか?琳さん」


「おーいーぞー」


「そちらの女性は本当に彼女ですか?」


「もちろんだぞー」


………どこまでもこのバカ兄は嘘を突き通すらしい。


「兄貴ふざけんな!恋が汚れる!」


「おいおい剣。お兄様に向かってそりゃどういう意味だ?あぁん?」


「兄貴なんかの彼女に恋がなるわけねぇだろ!恋は俺のだ!」


「じゃあつまりこの女性は琳さんと剣の間で取り合ってるという事ですね。」


なるほど、と納得した様子の真面目そうな男。


いや、待とうか。


話がややこしくなってきたぞ?


絶対琳、剣の反応見てからかってるでしょ。


剣なんて気付かずに琳の思う壺になってるし。


てかもう本当のこと言っていいよね?ね?


「私、琳の彼女じゃないし、ましてや剣と二人で取り合わせてるわけでもないんだけど」


「えー恋、もう種明かししちゃうの?つまんないなぁ」


「話ややこしくなる前に本当の事言わないとこの人達混乱するでしょバカ」


「ちぇ」


「……どういうことですか?」


ほら。混乱している様子の真面目野郎(省略した)とチャラ男。


「私の名前は杉咲恋。琳と剣の「彼女じゃなくて琳さんの嫁さんだったの!?こりゃたまげた!」……黙れチャラ男話聞けよ」


なんだコイツ。


人の話割り込みやがって。


しかも間違ってるし。


「お、俺美人にチャラ男って言われた……」


謎にショックを受けやがっ……失礼。口が滑ったわ。


謎にショックを受けているチャラ男。