姫は自由に生きている


挨拶を終えて下に戻る。


「なぁ恵。」


「ん?」


「右京ってあそこに居たけど何者なんだ?」


「右京は、現幹部であり次期総長だよ。あいつ、あぁ見えても喧嘩すげぇ強いから期待されてるんだ。」


「……え、あいつ喧嘩そんな強いの?」


常に眠そうでそんな強いとは思えないけど、、


「やっぱそう思っちゃうよねー。でもトウタさんと互角だよ。あいつは」


総長と互角ってやばくねぇか?


「じゃ、自分の居場所作り頑張ってね」


そう言って恵は俺の背中を押し、面子の輪の中に入れた。


喋ってみるとみんないい奴で、楽しくて。


大勢で飯食べるって初めての経験を、こんなに良いもんなんだって感動した。


希龍に入って早くも3ヶ月が経とうとしていた。


ケータイは右京によって解約され、新しいのを与えられた。


よって、アヤとの関わりは消えた。
学校にも行ってないから、もう会う事はない。


そして今日は


「いいかお前ら。死ぬんじゃねぇぞ。全員でここに帰ってくるんだ。いいな」


敵対する族との抗争の日。


いつも間延びした話し方をするトウタさんも今日はちゃんとしている。


入ってから仲良くなった奴のバイクの後ろに乗せてもらい、出発しようと準備していた時、トウタさんが俺の元へ来た。


「新、」


「なんすか?」


「お前に期待してっからな。思いっきりやってこい。」


「うぃっす」


トウタさんは、普段おちゃらけてるけど誰もが惹きつけられる魅力とカリスマ性を持っている。


そんなトウタさんに憧れるのも早かった。


俺も幹部になりたい。

いつしかそう思うようになった。


そして、トウタさんに期待されてる。そんな事実が嬉しかった。