姫は自由に生きている


歩いて引っ張られて連れて来られたのは希龍の倉庫。


右京は躊躇いなく扉を開けた。


「右京おかえり。そいつが例の?」


「ん」


出迎えたのは真面目そうなここには似合わない雰囲気の男。


右京はそれだけ返事すると俺を置いて倉庫の中に入っていった。


まじふざけんなって。


残ったのは俺と真面目そうな野郎。


「君が池田新君だよね」


「…そうだけど」


「俺は恵。希龍へようこそ」


「いや、全く状況が読めないんだけど」


右京に続いて、恵との出会いもここだった。


「右京が言葉足りなくてごめんね?実は君を希龍にスカウトしたんだ」


「は?」


「入ってくれるよね」


「いや、断る」


「だよね。入ってくれるって言ってくれると思ったんだ。おーいみんな!新しい仲間が入ったよー!」


「おい!俺は今断った…」


恵という男は俺の返事を丸っ切り無視して勝手に話を進めた。


「まじ!?」
「また野郎かよ」
「お、こいつ繁華街で有名な奴じゃん」
「誰だよ連れて来たの」
「どうせ右京だろー」
「またかよあいつ」


恵の所為でたくさんの野郎が俺を囲みだした。

ジロジロと見られて良い気分ではない。


恵の方を見ればニコりと笑われた。


はぁ…とため息を吐いていれば、奥から俺を勝手に連れて来て置いてった右京が来た。


「お前、今日からここに住め。そしたらあそこ出れるだろ。金はこっちで用意するから心配するな。学校は好きにしろ。希龍に入るのは決定事項だ。以上。」


「は?いや、なに勝手に決めてるわけ?ここに住め?どういうことだよ。なんで俺の事情知ってるわけ?お前なんなんだよ」


「ん」


「いや、ん じゃなくて!」


こいつと会話が成立しないのは何故だろう…

自分の言いたいこと言い終わったらそれで終わりかよ…自由過ぎかよ