姫は自由に生きている


繁華街で喧嘩をした帰り、俺は見てしまった。


アヤと男が仲良さげに笑いあいながら腕を組んで歩いているところを。


沸々と怒りが湧いてくる。


もう、全てがどうでも良くなった。


どうせ誰も俺を愛してはくれない。
アヤも俺のことを好きではなかった。
俺は、利用されただけだった。
俺はー…愛されたことがない。


次の日から、俺は学校に行かなくなった。


アヤからの連絡は全て無視して、夕方になれば繁華街に行って喧嘩をし、朝になって施設に帰って寝る。


そんな生活をして気づけば3ヶ月。


またもや俺の人生を変える出会いがあった。


「なぁお前」


「あ?」


繁華街で喧嘩をいつも通りしていたら声を掛けられた。
そこに居たのは、一人の絶世の美男子。


あまりの綺麗さに息を呑んだ。


「お前、来い」


「は?なに言って…ちょ、おい!」


男は俺の腕を掴んで無言で引っ張って歩き出す。


「…………」


「誰だよお前」


「右京」


これが右京との出会いだった。
…出会いと言っていいのか分からないけど。


「いやそう言うことじゃなくて!」


「む。じゃあなんだ」


「どこ行くんだよ!」


「倉庫」


「は?お前族?どこの」


「希龍」


「まじかよ………」


希龍と言えば全国1の族。
誰もが憧れ、崇拝し恐怖する族。


この男はどうやら希龍の面子らしい。