愛しさ余って剣の頬にキスをする。
チュウ、という効果音と共に唇を頬から離すと剣の頬に見事に私のキスマークが付いた。
そんな可愛い剣の姿を私はカシャとスマホに収める。
「ねぇどうしよう琳!剣が可愛すぎてヤバイんだけど!」
「はいはい。分かったから少し落ち着け?な?」
興奮している私をたしなめる琳は、すごく呆れた表情をしている。
そんな私は未だに剣の膝の上で。
「恋、いつ帰って来たの?」
「ついこないだよ?剣が帰って来ないから来ちゃった」
語尾にハートマークを付けて言うと、少し頬を赤らめて私から顔を背けた我が弟。
そんな反応すら可愛い。
「あの…琳さん、剣、どういう状況か説明して貰えませんか?」
感動の再会をしていると、
「ちっ……」
あら失礼。つい舌打ちが。
真面目そうな男が恐る恐るといった感じで尋ねてきた。
まぁ確かに?
琳の彼女です(嘘だけど)なんて紹介された女が真っ先に剣の元へ走って擦り寄って、仲良さ気にしてるんだものね?
そりゃ混乱するわ。

