姫は自由に生きている


無事に進級して三年になり、アヤと付き合って1年が経とうとしていたある日。





アヤは今日友達と遊ぶと言って、週に何度か一緒に帰るこの日を断った。


仕方ないと思い俺は家路に着こうとしたが、ウォークマンを学校に忘れた事に気付き取りに戻った。


「ーーーーーー」


「ーーーーーー」


教室に誰か残っているらしい。話し声が聞こえる。


「ーーーーでさぁ」


「きゃははは」


どうやら残っているのはアヤとアヤの友達のミナミという奴らしい。


扉は閉まっていて俺が扉の外に居るのは気づかれてない。


なんとなく盛り上がっている所には入りづらいから、一旦落ち着くまで待つ事にした。


ーーーーーそれが間違いだった。


「あんたまだ池田と付き合ってるわけ?」


「まぁね。」


いつもと、俺と話すときとは全然違う冷たく低いアヤの声。


「いつ別れるのよ」


「1年記念日に振ってやろうかと思って」


ドクン


心臓が嫌な音を立てる。


「まじでよく池田落としたよねアヤ。あの賭けはあんたの勝ちだわ」


「ほんと、案外早く落ちたわ。ちょろいちょろい。賭けに勝ったんだからミナミの友達のイケメン紹介してよね」


「はいはい紹介しますよ。でも池田かわいそうに」


「どこがよ?あんな噂しかない嫌われてる男と付き合ってあげてんだからむしろ感謝して欲しいくらいだわ。顔しか取り柄ないくせに。あいつ、私の事大好きなのよ?笑っちゃうわ」


「あははは アヤって本当に怖い女よね。絶対敵に回したくないわ」


「私は私のやりたいことやってるだけだもの。新を落としたのだってミナミのイケメン友達紹介して欲しかったからだしぃ。暇潰しにもちょうど良かったや。そろそろ別れないと私の評判がこれ以上下がるのはゴメン。くすくすくす」


バクバクと心臓が暴れる。


どういうこと、だ?


アヤが俺と付き合ってるのは、暇潰し?友達のイケメンを紹介してもらいたかったから?賭け?うそ、だろ…?


フラフラとおぼつかない足取りで黙って学校を出る。


アヤは、最初から俺のことを好きじゃなかった?


好きで舞い上がってたのは俺だけ?