「池田くんってオシャレなんだね!カッコいい!」
「普通だろ」
「カッコいいの!」
「はいはい。んで、どっか行きたいとこあんの?」
「映画観たいのがあるんだけど付き合ってくれる?」
「あぁ」
吉原のリクエストで映画館に行く。
「これ観たい!」
そう指指したのは、こってこての恋愛映画。
「………わかった」
特に興味ないけど、こいつが喜んでくれるなら…と思い承諾した。
「ありがと!」
最近、こいつの笑顔を見ると胸がドキッとする。
この現象はいったいなんなのか。
友達も家族も居ない俺には相談する相手がいなかった。
『ずっと前から好きでしたっ!付き合ってください!』
『お、お願いします』
『愛してるよ。アイコ』
『私も愛してます。マサヒコさん』
『僕には君しか居ないんだ。だから、お願いだから離れないでくれっ』
『マサヒコさんっ…私っ…やっぱ。貴方とは不釣り合いよ』
『そんなことないさ。周りがなんと言おうと僕には君だけなんだっ』
『マサヒコさんっ』
『アイコ』
恋だの愛だの、愛されたことのない俺には分からないし理解もできない。
だけど、隣のこいつは映画に首ったけで。
チラリと見れば画面に食いついて泣いていた。
全くもって意味が分からない。
はぁ…と心の中でため息を吐きながら、つまらない2時間をぼけっと過ごした。

