イジワルな彼と夢みたいな恋を?

二月に入って行われた三回目のミーティングには自信があった。
部署全員でコスト削減に努め、それなりの成果を予算として報告できた。


残念ながら、今回のミーティングに一ノ瀬圭太は不参加だった。
前もって連絡は受けてたから、予算書類はメールで送り、既に確認と了承は得てきてる。


「それじゃデザイナーさんも賛成してるようだし、この予算と資材で着手していいかを上役会議に賭けるとしよう。どうせ直ぐにオッケーは出せると思うから、管理課の人達は納期期限を守らせるように手配しておいてくれよ」


岡崎さんの言葉に四人で頷いた。
何だかアッサリ決まり過ぎて、どうにもおかしい気がしてくる。

何処かに一ノ瀬圭太の仕組んだトラップがあるんじゃないのか。

着工と同時にドタキャンしてきて、やっぱりやり直し…とかいうイジワルをしてくるんじゃないのか。


本人からのメッセージとしては、タイルについても他の資材についても「よく頑張ったと思う」とコメントが返されてあった。

私もゆとりちゃん達も主任も、それには手を取り合って喜んだし、ミーティング前に軽い打ち上げみたいなこともしてしまってる。


結局、モデルハウスが建ってしまうまでは、殆どと言っていいほど彼には会えない。

中学の時と同じで、プツッと糸が途切れた様な状態だった。




「今日は元気がないね」


ミーティング終了後、岡崎さんは私の肩を叩いてそう言った。