一回目のミーティングが終了した後、岡崎さんから労われた。


「今日はご苦労さんだったね。大田さんはいつも頑張り屋さんだと思ってたけど、今回はつくづくそれを実感したよ。あのゆとりトリオを相手によく一人で奮闘してたと思う」


「いえ、私は……」


有難い言葉だけど困る。
私は上手に彼等のことを導いてやれなかったし、成長させてやれるだけの力さえも無かった。


「私は…特別なことはしていません…」


ちらりと目を配ると、三人は一ノ瀬圭太の周りに集まってる。

普段は言われないような厳しい言葉を言われて目が覚めたのか、引き締まったような顔つきをしてる。


「…あの子らには、今回の参加がいい薬になったんじゃないのか?」


岡崎さんも私と似たような感想を持ったらしい。


「ええ。それは私も同感です」


高木主任では人が良過ぎて、なかなか厳しく接しきれてもいないが、一ノ瀬圭太ならある意味、部外者的な立場からの意見がビシッと言えて指摘もし易かったと思う。



「やっぱり彼は流石だな」


岡崎さんの呟いた言葉の意味を深く追うこともせずに、ぼんやりと「ええ…」と答えた。


「それじゃあ、これからも宜しく頼むな。大変だと思うけど頑張って」


ポン…と肩に手を置かれて顔を上げた。
ゴルフ焼けをしてる岡崎さんの目を見ると、どうにも息が詰まって仕方ない。


「……はい」