イジワルな彼と夢みたいな恋を?

「家を一から丸ごと作って、幾らかかるなんて計算もしたことないれすよ」


「あ…あのね……!」


ここでその醜態を曝して楽しいの!?

恥ずかしいとか情けないとか、そんな感情このゆとりちゃん達には無いの!?


(つーか、先ず先輩の私がこの上なく恥ずかしーんですけど!?)


ああ、もう。
許されるのならこの掘りごたつの中に隠れてしまいたい。
何でもいいから好きにしな…って、全てを投げ出したい。


クスクス…と他部署の人達からは笑いが漏れ始める。
ゆとりちゃん達は自分達の言った言葉がウケてると思い、自慢そうに胸を張る。



「大田さん、大変だねー」


とうとう岡崎さんにまで同情された。
私は悔しいのと情けないのと恥ずかしいのとで、泣き出しそうな心境だ。



(こいつらの顔なんか見たくない!もう絶対に仕事を変わる!)


子供みたいに頭の中でキレまくった。
その様子を黙認してた一ノ瀬圭太は、指示棒を短く収めてこう言った。


「習ってないとか、精一杯とか、した事もないとかって言葉は聞きたくもないな」


妙に低音ボイスで言うもんだから、場の雰囲気が重くなってしまった。

私は泣きそうになった自分の喉に唾液を押し込み、ぎゅっと唇を噛んで顔を上げた。


「俺は何事もやる前から弱音を吐く奴が嫌いだ。それは懸命に努力する者達への冒涜だと思う」