「も…もしかして……一ノ瀬圭太って……」


忘れもしない中一のクラス。
他の小学校からの進級者もいて、結構バラバラな関係だった。

それを纏めようとしてたのが「一ノ瀬圭太」だ。

私は嫌々ながらも担任に学級委員を押し付けられて、こいつと一緒にクラス作りをさせられたんだ。


「あのイヤミでお節介で、底抜けに煩かった男子!?」


私の表現が正しいかどうかは置いとくとして、それを聞いた男は上から目線でこう言った。


「そうだよ。悪かったな」


睨んでる辺りで絶対に悪いとか思ってないし、そもそもどうしてこいつがこの会場にいる!?


「あんた、どうしてこの同窓会に参加してるの?」


私の言葉はますますバツだったらしい。
彼は坂上君の肩に顔を伏せ、泣き真似しながら私を指した。


「こいつを抹殺してくれ〜〜っ!」


負け犬なの?って言いたくなる仕草。
さっきハイスペックなのは自分だ、と指差してなかったっけ?


「よしよし。たまにはこんな惨めも味わえよ」


頭をグリグリと掻き乱して、坂上君は私に教えた。


「今回の同窓会は十三年ぶりに集まるから、仲の良かった奴らも全員呼ぼうぜってことになったんだ。オレは圭太とはずっと連絡取り合ってたし、大学も同じ学部だったから今でもツーカーだしな。…それで呼んだ」


「坂上君と同じ大学?」


よもや、それは……