さすがに「ゆとりちゃん」だけあって、三人には全くヤル気というものが見れられない。

一ノ瀬圭太は一緒になって彼等の人材育成もしてくれると言ったけど、現段階では私一人だけが指導者だ。



(……高木主任はアテにならないし)


今朝だって朝イチから会議に出ていない。
会議の内容すらも漏らさずに申し送ってくれるかどうかも不明な人だ。

こんな中で何をどうやれば三人が成長していくかがわからない。
闇雲に動いたからと言って、微動だにしないゆとり世代。


「とにかくモデルハウスの件については、資材管理課の責任を果たす必要があるんだから頑張ろ。三人ともいつ召集が掛かってもいいように、自分達の仕事を毎日ちゃんとやりこなしておいて」


多分、今日も上手い具合には使われてしまうんだろうな…と思う。

それでも毎日の仕事をやりこなしておかないと、急に仕事が増えた時に困るだけだ。


昨夜話した夢みたいな家の話を聞いて、一ノ瀬圭太は今頃どんな図面をオフィスで描いてることだろう。

家の中にブランコが欲しいと言ったら呆れてたけど、出来れば本当にそんな家に住んでみたい。



ブランコに揺られながら私が思い描くこと。
それは多分、一生叶わない夢物語。



(……でも、家に住むのは私じゃなくていいの。あったかい家族の住む家になってくれるのが一番なんだから)