イジワルな彼と夢みたいな恋を?

「一緒に育ててやるよ。中学の時みたいに」

「みたいにって…」


本来なら私の仕事なのに。


「いいよ。これは私のやるべき仕事だし」


素直にお願いするなんてできないから拒否する。


「一ノ瀬君はデザイナーとしての仕事をすればいいでしょ」


これまでだって行き詰まってたけど断る。
思うようにはいかなくて、結局歯痒い思いをすることにはなるんだろうけど。


「意地張る必要ないよ。頼ればいいじゃん」

「誰があんたなんかに…!」


そもそもこいつは部外者だ。
オフィスの専属でデザインはしても、始終オフィスで働いてる訳じゃない。


「可愛くないこと言うな」

「可愛がってもらってないから」

「ふぅん。だったら可愛がればいい?」

「えっ…」

「俺がお前を可愛がれば言うこと聞くんだ」

「えっ…どうしてそうなるの?」


言ってる意味が見えてこない。
一ノ瀬圭太の考えてることって何?


「まぁいいよ。取り敢えずは先にデザインだけ考えるから」


つーかさ。
それだけ考えればいいご身分だよ、あんたは。


「だったらとっとと帰ろうか」


手を振り上げたらタクシーが路肩に近寄った。
それを拒否する私を押し込み、バタン!と勢いよくドアを閉める。


「またな」


じゃないしっ!




「何方まで?」

「え…あ…あの……取り敢えず、真っ直ぐ走って下さい」