イジワルな彼と夢みたいな恋を?

「今度は脂ギトギトなラーメン屋にするよ」

「ラーメンね。まぁもういいけど」


もう二度と一ノ瀬圭太と食事することはないと思うから。


「ところで、さっきのモデルハウスデザインの話。図面が出来たら建築が始まるんだけど、その時の建築資材って大田の部署が調達するのか?」

「うん。多分そうなると思う」


「だったら協力頼むな。担当は大田で指名するから」

「えっ…ちょっと待って。それは困る!」

「何で?」

「私、忙しいの。部署にいる後輩の仕事も手伝ってるから」

「後輩?」

「そう。三人いるんだけどね」


愚痴は言いたくないけど、ちょっと手が掛かる人達ばかりなんだ…と教えた。


「最近の子って感じで、ゆとりちゃん達なの。だから私よりも主任の高木さんを担当にして」

「上等じゃん」

「はっ?」


声に反応して見上げれば、中学時代よりも更に差が広がった身長の彼が見下ろしてる。


「そいつ等にも手伝わせよう。大田のところにいる人材もついでに育成させる」

「い…育成って、そんな簡単に言うけど難しいのよ?」


四年ほど経っても上手くいってない現状があるのに…と言った。


「大田、忘れた?俺って努力する前から諦めるの嫌いなんだよ」

「それはそうかもしれないけど…」


そうだ。こいつは熱血主義者だった。


「どうせ今夜もそいつ等の所為で残業だったんだろう?」

「‥…ぐっ」