私の言った言葉を逆手に取った。
見れば何だか不機嫌そうな顔をしてる。


(ムッとするくらいならもっとリーズナブルな店に連れて来てよ)


サラダの次は軽いおつまみみたいな料理が届いた。

メインディッシュのお料理は魚とお肉の何方にしましょうか?と尋ねられたから……


「断然お肉!」

「こっちも」


「…畏まりました」


ボーイさん、今笑い出しそうになった。
どうせ私がどれだけお腹空いてんだ…とか思ったんでしょうけど。


(どうでもいいけど、何食べてもお腹に応えない量よね…)


コンビニでカップラーメン購入して帰ろうと思いつく。


「それで、そろそろ聞かせて欲しいんだけど」

「何を?」

「大田が住みたい家ってどんなのか」

「話すのはいいけど、あくまでも参考にしかならないよ」

「いいから教えてくれよ」

「そうね。先ずは外観はタイル貼りで、屋根は緑色っていうのが基本かな」


頭の中に浮かんでくるのは一軒の家。
通勤中のバスの窓から毎日のように見てる家だ。


「洋風スタイルでね、絵本の中に出てきそうな感じのイメージ」

「意外に不似合いそうな家だな」

「だから聞いても参考にならないと言ったのに」


話すの止めようか…と呟く。


「いいからそのまま教えて。ちなみにキッチンはどんなスタイルが理想?」

「L字型のラインで、小さくてもいいから掃除し易いのがいい。引き出しが多くて調理器具も調味料も片付けておける様な感じ」