イジワルな彼と夢みたいな恋を?

「ところでさ」


唇を離した一ノ瀬圭太が声を出した。
初めてのキスにぼうっとしたまま「うん…」と小さく声を返す。


「俺まだ聞いてないんだけど」


「何を?」


がっちりと抱き締められてた腕の力が緩まり、少しだけ呼吸がし易くなる。



「大田が……美晴が、俺のことを好きなのかどうか」


名前で呼ばれて心臓の音が加速する。

耳の奥にまで届いてきそうで、どうにも落ち着かなくなってくる。


「…そ、そんなの今のでわかってるじゃん」


嫌いならとっくに突き飛ばしてるよ。


「態度だけじゃ信用出来ない」

「言葉の方がいくらでも誤魔化せる!」


「普通の女ならな」

「私は普通じゃないの!?」


酷い。どういう意味だ。


「普通じゃないよ。昔から難攻不落な城みたいな女だった」


だったら火でも点ける!?
でも、それじゃ燃えるか!?


「お前を素直にさせるのが俺の役目だった。『いいよ』と言わせるのが本当に難しかった」


「合意をさせるのが趣味のようにもなってた」と付け足す。


「あのねー。そんなの趣味にしないでよ」

「だから、ここらで素直になっとけば?」

「は?」

「どうせそのうち『YES』を言うことになるんだから」

「えっ…」


まさか、さっきのは本気で……?



「大田美晴…」


どどど、どうしよう。

さっきのって、まさか、本気のプ…プロポー……