イジワルな彼と夢みたいな恋を?

遠目に群れてる男どもを見遣った。

大学に入った時、坂上が言ってた『苦労』というのは、このことだったのか。


『おかげで私がどれだけ一人で頑張ったと思う!?ちっとも平気じゃないのに、平気だろうとか言われて!

中学だけじゃなく高校になっても学級委員させられたのよ。もうやりきれないと思っても、やらされてたんだからねぇー!』


管を巻くオヤジみたいになってないか?


『一ノ瀬圭太なんて恨んでやるっ!』


いや、それは逆恨みもいいところだろう。


『勝手に転校なんてして、無責任過すぎもいいとこでしょ!一言クラスメイトに謝ってから行けって言うのよ!
さもなくば私にだけでも謝れっての!!』


『…ごめん』


なんと言うか、それは俺だけではどうにもならないくらい子供だったんだけど。


『今謝るくらいなら助けてよっ!あのゆとりっ子達をなんとかしてっ!穴に埋めるなり、地の果てに追い込むなりしていいからっ!』


それは幾らなんでも嫌だな。


『ついでに言うなら仕事も辞めてのんびり家庭の主婦にでもなって落ち着きたいっ!いい妻になって、いい母親にもなるんだからぁ~!!』


とうとう泣きが入りだした。


『お前、それ本気で言ってんのか?』


『嘘言ってどうするのよ!』


涙ぐんで叫んだらいきなりカクン…と足の力が抜けた。
凭れ掛かってきた体を支え、その細さに驚く。